インド ワクチン接種体験記

インド(グジャラート州)でのコロナワクチン接種体験記(2021年6月1日)

HBT海外拠点の1つインドのグジャラート州アーメダバードに駐在している、HBT社員よりインドでのコロナワクチン体験記が届きました。

■インドのワクチン状況

インドでは、2021年1月に医療従事者を対象に開始し、その後3月に60歳以上の高齢者と基礎疾患がある方、
4月に45歳以上の方、5月に18歳以上の方、と段階的に接種対象を拡大しています。
インドでは、6月5日現在約2億2,800万回の接種が完了しています。
日本の総人口の2倍近い接種数ですが、インドの総人口が約13億6,600万人であることを考えると接種率は10~12%前後というところでしょうか。

■現在利用できるワクチンの種類

現在インドで接種可能なワクチンは以下の3種類です。
・Covishield
→インドのSerum Institute社が生産する、Oxford-AstraZeneca社のワクチン
・Covaxin
→インドのBharat Biotech社のワクチン
・Sputnik V
→ロシアのGamaleya Institute社のワクチン

インドの医療機関、接種会場により接種可能なワクチンの種類が異なるので、希望するワクチンがある場合は、予約時に確認が必要です。

■ワクチン接種の予約

インドの接触確認アプリ『Aarogya Setu』またはインド政府のワクチン接種情報サイト『CoWIN』から予約をします。
筆者の場合は、アクセス集中が原因か予約画面につながらないCoWINのHPでの予約はあきらめ、アプリから行いました。

事前に下記のID情報の登録が必要です。
①写真付身分証明書の種類
→・パスポート
・PANカード(インドでの納税番号)
・Aadhaarカード(マイナンバー)等から選択
②①で登録した身分証明書のID番号
③①で登録した身分証明書に記載の氏名
④性別
⑤生年(月日不要)

医療機関・接種会場、年齢の枠(現在は45歳以上と、18歳以上のいずれか)、ワクチンの種類、時間帯を選択します。

                          

 

医療機関での接種は有料、学校・公民館などの自治体施設や軍の施設等の接種会場での接種は無料で行っているようです。
後者で予約をした当社のインド人スタッフが当日接種会場を訪れると、ワクチンの在庫切れで会場そのものがクローズしていた、という話を聞いていたこともあり、
筆者は遠方の医療機関で接種をすることにしました。

ワクチン接種料は医療機関によりますが、インドの都市であるアーメダバードでは概ね以下の料金になっております。
・Covishield  INR 850
・Covaxin      INR 1,150
・Sputnik V  情報なし

⇒アーメダバードではまだ出回っていないからか、情報がありませんでした。
予約を完了すると、以下のような確認書が届きます。

 

■医療機関での受付

予約をした医療機関へ到着し、ワクチンセンターへ向かいます。
ワクチンセンターの受付で、予約確認書と、事前に登録していたID、携帯電話番号を提示します。
追加で、住所の提出を求められました。
窓口の担当者が予約情報を照会・入力し、問題が無ければ、ワクチン接種同意書への記入と、
接種料金の支払いを求められます。
支払い後、受け付け書類をもらい、指定された接種ブースに向かいます。

写真中央奥が受付

■接種

受付で受け取った書類を提出します。
氏名と、ワクチンの種類の確認後、2回目の接種タイミングや、接種後の健康観察時間、副反応についての説明と同時進行で接種を完了。
あっという間に終わりました。

■接種後の待機

医療機関内の待合場所で副反応観察時間として30分間の待機を指示されます。
30分経過後は特に申告などは必要なく、筆者も特に副反応も無かったので帰宅へ。
接種時の説明によると、副反応で熱が出た場合のために解熱剤は希望すれば処方してくれるそうです。

■接種証明書

待機中に、携帯へ接種完了のSMSが届きます。
アプリやCoWINのHPから接種証明書(以下資料参照)がダウンロードできるようになります。

また、筆者の場合は2回の接種が必要なCovishield の1回目の接種だったので、アプリの初期画面がアップデートされ、半分完了の表示(左スマホ画面中央部分【Partially Vaccinated】の表示)と、2回目の接種までのカウントダウンが確認(右スマホ画面【Days remaining for Dose 2が79日と表示】)できるようになりました。

                         

■感想とポイント

ポイント① 根気強く予約にチャレンジ

インドではワクチンの供給が不安定なためか、数日先の予約はできず、当日接種分を当日受付開始している医療機関が多い印象です。
希望する医療機関、ワクチンの種類等ある場合は根気強く予約受付の動向を注視する必要があります。

ポイント② 訪問前に、予約状況やワクチンの在庫を確認

実は筆者も初回に予約をした医療機関では、接種当日医療機関側で予約情報が確認できず接種ができませんでした。
システムエラーが原因(予約確認書も受領していたのですが)だったようですが、
他の日本人の方からも予約して訪問したにも関わらず当日在庫が無く接種できなかったというお話をよく耳にします。
訪問前には、医療機関へ直接予約状況やワクチン在庫をお問い合わせいただく方が良さそうです。

ポイント③ インドでは接種する機関により、待合場所に充分なスペースがないことがあるので二次感染に注意

上記の状況から、1回目の接種を完了するまで2軒の医療機関を訪問することになりました。
受付から接種までの流れはいずれも同じようでしたが、接種および接種後の待合場所のスペースは医療機関ごとに状況が異なり、
片方は十分なソーシャルディスタンスに配慮したスペースが設けられていましたが、もう一方はスペースそのものが狭くやや密が発生しそうな印象でした。
接種後の体調などの状況にもよりますが、病院の外や車内での待機、狭い場所での待機時にはフェイスシールドの着用など、二次感染防止への備えが必要と感じました。

HBTインド駐在員(グジャラート州アーメダバード)